妊活をしていて思うのは現代の医学では解明できていないことがまだまだモリモリあるということ。というか、わかっていないことの方が圧倒的に多い。不妊治療に関しても検査では何の異常も見つからないのに子供ができない/ 妊娠しても流産に終わるカップルは全体の30%といるという。私たちもその一部。
原因が分からないので自分で調べて仮説を立てるほかないのだけれども、これまでの私の妊娠歴(化学流産、稽留流産)と不妊関連各種検査結果(全異常なし)を考えると一つの可能性として、もしくは卵子、精子の質に問題があるのではないかと2度目の流産から考え始めるようになった。そしてこの卵子の質というやつですが、採卵したり、実際受精させてみないとある程度の良し悪しがわからないというのが現代医学の実情で、体外受精を本格的に視野に入れた私たちは着床前診断(PGT-A)も受ける予定でいる。
というわけで、今回はPGT-AについてのカウンセリングとCarrier screeningというものを受けてみた時の事を少し書いてみようかと思います。
さてまずPGT-Aってなにって話ですが、体外受精の過程で行われる胚の検査のこと。具体的には分裂がある程度まで進んだ胚の細胞を採取して染色体の数が正常か確かめるというもの。胚の一部を採取することによってその後の胎児の成長に影響が出てくるんじゃないかとか、染色体異常と判定されたものの、細胞分裂が進んでいる胚を捨ててしまうことは道徳的にどうかなんて議論があったりするPGT-Aですが、これについては体験したのちに改めてまとめる予定です。
話は戻りまして、先日の受診で体外受精になった時はPGT-A受けたいですと希望を伝えていたところ、ジェネティックカウンセラーとカウンセリングをすることになった。カウンセリングではPGT-Aの説明はもちろん体外受精前に受けられるCarrier screening テストはどうします?というオプションに困惑。
興味ありますけど、それなんですか?
カウンセラーの方の説明によると、Carrier screeningというのは私と旦那さんにどのようなCarrier(遺伝子異常)があるか調べるテストのこと。人というのはほとんど誰もが何らかの疾患を引き起こす可能性のある異常遺伝子を持っているらしい。ただその遺伝子自体は活性化されていないで眠っている状態なので当人には自覚がないどころか調べないと分からないそう。これだけ聞くとちょっと怖いけれど、病気を発症する可能性のある異常遺伝子は劣勢なのでそれを持っているからといって本人はその疾病を発症することはないとの事。怖いのは自身とパートナーが同じ病気を引き起こす遺伝子を持っている場合、私たちの子供は1/4の確率でその病気にかかる恐れがあると言う点。
上記のケースの場合、子供が病気を持って生まれてくる可能性の他にも、流産が起こる可能性があるとのことで、それならばやはり絶対に調べておきたいと旦那さんの意見とも一致し、クリニックが委託しているINVITAEという機関に検査をお願いすることになったのでした。ちなみに289もの疾病の異常遺伝子がこの検査で調べられるらしく、気になる費用は一人$250USD。二人で一緒に受けると二人目が$100USDと、いわゆる夫婦割が適応されます。
次に検査の工程だけれども、これはいたってシンプルで送られてきた検査キットに唾液サンプルを入れて郵送するだけの超お手軽なものだった。体の細胞をどっかからへっぺがすとか、血液をとるとか痛い系のサンプルの取り方される〜なんて心配もなし。
気になる結果は、旦那さんも私もお互いに2つの疾病のcarrierであったのだけれども、それぞれの疾病自体はオーバーラップしておらず、一安心。体外受精に向けてまた一歩準備が整った気分!
Carrier screeningは日本ではまだ一般的ではない検査みたいですが、特定の人種、民族間ではある異常遺伝子も持つcarrierが多いことからcarrier screeningが広く受け入れられている国もあるそうです。実際に検査結果にも人種ごとにどれくらいの確率でその疾病のcarrierがいるかが書いてあって、カウンセラーの人もこの人種間ではこれだけのcarrierがいるよねーって感じで診断された疾病の詳細をはじめ、質問したことは何でも丁寧に答えてくれました。
ちょろっと調べてみたところCarrier screeningを行なっているクリニックもちらほらあったので、気になる方は調べてみるといいかも!